2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750187
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山田 真路 Okayama University of Science, 理学部, 准教授 (80443901)
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Keywords | DNA / 環境浄化材 / 生体高分子 / 内分泌かく乱化学物質 / インターカレーション / 二重らせん / ダイオキシン / 環境調和型材料 |
Research Abstract |
二重らせんDNAは積み重なった塩基対間に平面構造を有した分子が平行挿入するインターカレーションという機能している。そのため、二重らせんDNAを有害物質を集積する環境材料として用いた場合、ダイオキシンやPCB等の平面構造を有する有害物質を捕捉できるが、ビスフェノールAやジエチルスチルベストロールの様な平面構造を有さない分子は捕捉されないという欠点を有している。そのため、平面構造を有さない有害物質を捕捉するにはDNAを他の分子と複合化する必要性がある。そこで、平面構造を有さない分子を捕捉することが出来る生体由来分子の文献等による探索を試みた。その結果、環状オリゴ糖がそのような機能を有していることが確認された。そこで、塩基性高分子に環状オリゴ糖を修飾した機能性高分子を合成し、DNAと複合化することを試みた。その結果、DNAと環状オリゴ糖修飾高分子からなる複合体は、水に対して極めて安定であることが確認された。また、複合体をDNAインターカレーターである臭化エチジウムで染色したところ赤く染まることから、DNAの特徴であるインターカレーションと言う機能を保持していることが確認された。それと共に、複合体を環状オリゴ糖の空孔内に包接されるρニトロフェノールで染色したところ黄色に染まることから、環状オリゴ糖の機能を有していることが確認された。現在は、環状オリゴ糖の修飾率が異なる様々な高分子を合成しているところである。 以上のように初めの申請書に示した平成19年度の目的は95%以上達成することができた。残りの5%はあと数週間で容易に達成できると考えられる。次年度は、複合体の機能評価、特にこれら複合体を用いた平面構造を有さない有害物質の除去(特に、ビスフェノールAとジエチルスチルベストロール)を行いたいと考えている。
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Research Products
(5 results)