2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750187
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山田 真路 Okayama University of Science, 理学部, 準教授 (80443901)
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Keywords | DNA / 環境浄化材 / 生体高分子 / 内分泌かく乱化学物質 / インターカレーション / 二重らせん / ダイオキシン / 環境調和型材料 |
Research Abstract |
現在までに、二重らせんDNAがインターカレーションという現象(積み重なった塩基対間に平面構造を有した分子が平行挿入現象)により、ダイオキシンやPCB等の平面構造を有する有害物質を捕捉することを報告した。しかしながら、平面構造を有さない分子(例えば、ビスフェノールAやジエチルスチルベストロール)は捕捉されないという欠点を有していた。そこで、平成19年度においては、これらの問題を解決するため、塩基性高分子に環状オリゴ糖を修飾した機能性高分子を合成し、DNAとの複合化を行った。平成20年度では、その続きとして、実際に作製した複合体を用い、有害物質の除去を試みた。その結果、二重らせんDNAでは除去出来ないビスフェノールAとジエチルスチルベストロールをそれぞれ35%と40%除去することに成功した。また、平面構造を有しているが単環性の化合物であるため二重らせんDNAでは除去することが出来ないベンゼンを60%以上除去することにも成功した。この結果、DNAの欠点を、環状オリゴ糖の機能を利用することでおぎなえることが示唆された。一方、作製した複合体は平面構造を有したダイオキシンやPCB誘導体等を除去する機能も保持していた。現在は、更なる除去率の向上を目指すため環状オリゴ糖の修飾率が異なる機能性高分子の合成や枝分かれ構造を有する高分子に環状オリゴ糖を修飾することを試みているところである。 以上のことから、申請書に示した平成20年度以降の日的の90%以上を達成することが出来た。最終年度は、残りの10%を達成するために、現在作成中の高分子(環状オリゴ糖の修飾率が異なる機能性高分子、枝分かれ構造を有する高分子に環状オリゴ糖を修飾した機能性高分子、径の異なる環状オリゴ糖を修飾した機能性高分子)を用いて、より高い除去率を有する環境調和型機能性材料の創生を行う予定である。
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