2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750187
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山田 真路 Okayama University of Science, 理学部, 准教授 (80443901)
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Keywords | DNA / 環境浄化剤 / 生体高分子 / 内分泌かく乱化学物質 / インターカレーション / 二重らせん / ダイオキシン / 環境調和型材料 |
Research Abstract |
現在までに産業廃棄物の有効利用という観点から、サケ白子由来DNAの環境材料への応用を試みてきた。その結果、DNAはダイオキシンやPCBのような平面構造を有する物質を選択的に除去する機能を有していることが確認された。しかしながら、平面構造を有しない、ビスフェノールAやジエチルスチルベストロールなどの有害物質を除去することは出来なかった。そこで、本研究課題では、平成19年度から環状オリゴ糖の1っであるシクロデキストリンとDNAを複合化し、様々な有害物質を除去できる素材の創生を試みた。その結果、21年度までにおいて、シクロデキストリンの包接機能とDNAのインターカレーション機能を有した新規な複合体を創生することに成功した。そこで、平成21年度より、実用化により近い材料として、これら複合体に無機物としてシランカップリング剤を加え、物理的な安定性を有した素材の開発を試みた。その結果、作製した複合体は物理的な強度を有するだけでなく、水に対して極めて安定であった。また、このような複合体はシランカップリング剤のシラノール基を介して、ガラスフィルターに固定することも可能であった。そこで、このフィルターをシリンジフィルターとして用い、多成分系からの有害物質の除去を試みた。その結果、複合体フィルターは平面構造を有する物質だけでなく、平面構造を有しない物質も80%以上除去できることが確認された。一方、それと共に、径の異なるシクロデキストリンを用い、有害物質の除去を試みた。その結果、7つのグルコースからなるβ-シクロデキストリンが最も有害物質を除去する機能が高いことが確認された。 以上のことから、申請書に示した目的の全てを達成することが出来た。特に、DNAと生体由来の分子との複合体からなる環境浄化剤は、環境調和型の新しい素材として様々な分野で利用できると考えられる。
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Research Products
(15 results)