2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンゲルマニウム系ヘテロ構造における選択的歪み制御技術開発
Project/Area Number |
19760011
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤野 憲太郎 Musashi Institute of Technology, 工学部・電気電子工学科, 講師 (90409376)
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Keywords | SiGe / 歪み / イオン注入法 |
Research Abstract |
これまで半導体技術は素子の縮小化によって発展を遂げてきたが、近年その縮小化に物理的限界が近づき、新たな技術革新が必須となっている。その中で、シリコン(Si)に結晶歪みを加えた「歪みSi」チャネルが実デバイスに導入され、歪み制御技術の高度化、新技術開発は最重要かつ不可欠な課題である。本研究では、これまでとは全く異なる新手法を用いた歪みの制御技術開発を行った。具体的には、イオン注入法による選択的欠陥導入を行い、歪み場分布の面内任意制御および異方性歪み場の実現を試みた。 まず、Si基板上に数μm幅のストライプ・パターン状に選択的イオン注入を行った。その後分子線エピタキシーによってSiGe薄膜をエピタキシャル成長させ、熱処理を施した。この熱処理中に、選択的にイオン注入された領域にのみ転位が発生し、歪みの緩和を生じさせ、イオン注入されていない領域に非対称一軸性歪みが生じることが期待できる。 実際に作製した試料を、X線回折逆格子空間マッピング測定によって評価した。X線の入射方向がラインに平行な場合と垂直な場合で、SiGe層の回折ピークの位置が大幅に変化することが観測され、方向に依存した歪み状態が確認された。より詳細なピーク値の定量評価により、2つの方向によって約40%も歪み緩和率が異なることが示され、一軸性歪みが本手法によって実現できることが実証された。さらにこの歪みの非対称性は、パターンのライン幅に強く依存することを系統的に示した。これらの結果は、本技術が今後のSi/Geヘテロ構造ローカル歪みデバイス実現へ向けて非常に有望であることを示している。
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Research Products
(11 results)