2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760015
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
新海 聡子 Kyushu Institute of Technology, マイクロ化総合技術センター, 講師 (90374785)
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Keywords | エピタキシャル成長 / 拡散バリア / LSI / 配線 / 銅 / タンタル / スパッタ / Si |
Research Abstract |
現在、ULSIの次世代配線材料として,Cu(銅)が注目されている.しかしながら,Cuは200℃程度の低温でsi基板と反応し、デバイスを短絡させてしまうことから,Cu-Si間の拡散を防止する「バリア」を介在させることが必須とされている.このバリア材料として、Cuと化合物を形成しないことから、Cu-Si間の拡散バリア材料としてTa(タンタル)とその窒化物が最も有望とされている.しかしながら、拡散バリアを堆積させる場合に用いられるスパッタ法で,Si基板上に基板温度室温のままTa膜を堆積させると,バルクと同じ構造のα-Ta相ではなく,準安定相である高抵抗なβ-Ta相が形成してしまう.ここで,堆積させたTa膜が高抵抗なβ相となってしまうと,応答速度の高速化が求められるULSIにおいて,信号遅延を引き起こす要因の一つとなってしまう. このような背景を踏まえ,Si基板上に堆積させたTa膜の形成相に及ぼす基板温度と熱処理条件の影響を調べた.その結果,最適条件下では低抵抗なα-Taが300℃程度の比較的低温領域から得られることがわかった.また,形成されるα-Ta膜は,(100)Siおよび(111)Siの両基板上において,基板温度上昇により気相エピタキシャル成長を示すことがわかった. この成果は,ULSIにおける配線構造の高信頼化だけでなく,ヘテロエピタキシャル成長の研究分野に多様な発展の可能性を付加し得るものである.
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