2007 Fiscal Year Annual Research Report
一次元X線集光素子による新しい結晶表面・界面評価手法の開発
Project/Area Number |
19760020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢代 航 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (10401233)
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Keywords | 放射線 / X線 / 粒子線 / 量子ビーム / マイクロ・ナノデバイス / 半導体物性 / 表面・界面物性 / 位相問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、X線回折法の高度化により、半導体結晶中の埋もれた領域の構造およびひすみを次世代シリコンデバイスに対応できる程度の高い空間分解能で評価する方法の開発を目指というものである。対象としては、酸化膜に加え、窒化膜、high-k膜などによって誘起されるひずみや、埋め込みBi原子細線のような低次元構造によって誘起されるひずみの評価を行う。これらの基礎データの蓄積により、究極的には結晶中の微小領域のひずみを自由に制御し、次世代の半導体デバイスのさらなる性能向上に役立てることを目指す。 平成19年度の研究実施計画では、1.グローバルなスケールでのひずみの評価、2.高空間分解能の評価を実現するためのX線光素子の設計、試作および評価、3.プログラムの整備およびデータ解析、を挙げた。以下それぞれについて研究実績を報告する。 1.グローバルなスケールでのひずみの評価 シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜界面下のひずみの評価をSPring-8で採択された二回のビームタイムで行った。酸化方法、窒化方法に依存してひずみの深さ方向分布にはっきりした差が見られることが分かった。特にシリコン窒化膜(high-k膜)については、最近半導体デバイスの三次元の観点から注目されているXe/NH_3プラズマ窒化について測定を行ったが、同様の理由で注目されているKr/O_2プラズマ酸化の場合と非常に類似した傾向を示すことが分かった。 2.マルチレイヤーラウエレンズタイプの集光素子の設計を試みた。また同時に産業技術総合研究所および物質・材料研究機構の微細加工施設を使用する準備を整えた。 3.東京大学物性研究所のスーパーコンピュータの使用申請が採択された。上記1.等の解析プログラムの整備を行い、実際に解析に使用した。スーパーコンピュータにより従来に比べ解析時間の劇的な短縮が実現できた。
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