2009 Fiscal Year Annual Research Report
一次元X線集光素子による新しい結晶表面・海面評価手法の開発
Project/Area Number |
19760020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢代 航 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (10401233)
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Keywords | 放射線 / X線 / 粒子線 / 量子ビーム / マイクロ・ナノデバイス / 半導体物性 / 表面・界面物性 / 位相問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、X線回折法の高度化により、半導体結晶中の埋もれた領域の構造およびひずみを次世代シリコンデバイスに対応できる程度の高い空間分解能で評価する方法の開発を目指というものである。対象としては、酸化膜に加え、窒化膜、high-k膜などによって誘起されるひずみや、埋め込みBi原子細線のような低次元構造によって誘起されるひずみの評価を行う。これらの基礎データの蓄積により、究極的には結晶中の微小領域のひずみを自由に制御し、次世代の半導体デバイスのさらなる性能向上に役立てることを目指す。 平成21年度の研究実施計画では下記の三点を挙げた。それぞれについて実績を報告する。 1. 高空間分解能X線光学素子の作製 物質材料研究機構のスパッタ製膜装置により、マルチレイヤーラウエレンズ型集光素子の試作を行った。 2. X線光学素子の評価 作製した多層膜構造について電子顕微鏡により寸法評価などを行った。集光サイズの微小化に向けてさらなる微細加工装置の高度化が必要であることが明らかになった。 3. 局所領域ひずみの評価 シリコン上に形成された酸化膜および窒化膜下のひずみの深さ方向分布を定量的に求める方法を開発した。この方法によってKr/O_2プラズマ酸化膜およびNH_3/Xeプラズマ窒化膜下のひずみの深さ方向分布を定量的に明らかにし、熱酸化の場合にはない特徴的な分布が生じていることを示した。この結果はプラズマ酸化膜および窒化の成長プロセスと密接に関係していることも分かった。また局所領域のひずみを評価するために必要なX線顕微位相イメージング技術の開発を行った。
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