2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19760022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 忠寛 Nagoya University, 大学院・ 工学研究科, 助教 (10372533)
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Keywords | 貴金属触媒 / ナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / 環境セル / 表面・界面 / 原子構造 / 高分解能 |
Research Abstract |
『ナノ金触媒の反応場におげる原子構造の動的変化を明らかにし、本触媒の活性メカニズムを解き明かすこと』が本研究の目的である。そのために、"ナノ・ラボラトリ電子顕微鏡システム"の独自開発を目指し研究を推進している。 本年度は、周辺技術の確立および触媒反応中その場観察の実施をメインに研究を進めてきた。各項目について以下に詳述する。 1.環壌セル隔膜の高耐圧化 カーボン真空蒸着にて作製するガス・シール用の極薄膜について、その作製方法を改良し、従来の半分以下の厚さ(約8nm)で2気圧以上の差圧に耐久可能な膜を得られるようになった。 2.隔膜の耐侵食コーティング法の開発 上記、カーボン隔膜は酸素を含んだ反応ガス中で電子線を照射すると、酸化・侵食・開孔という現象が発生し問題であった。これを抑制するため膜表面に非晶質BN膜をコーティングする方法を確立した。基本は高周波マグネトロンスパッタ法で基板を液体窒素温度に冷却することがポイントであった。また、コーティングにより侵食抑制効果が大きいことを明らかにした。 3.反応ガス種によるナノ金粒子構造変化の差異 開発したシステムを用いて、ナノ金触媒のガス中その場観察を行った結果、COの酸化反応を起こすガス中では粒子の激しい構造変化が見られたが、反応が起こらないN2ガス中では、同一圧力下でも変化は見られなかった。これにより、触媒反応が構造変化に影響していることが明らかになった。
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