2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属ゲート/High-k絶縁膜スタック構造のナノスケール界面制御
Project/Area Number |
19760027
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大毛利 健治 Waseda University, ナノ理工学研究機構, 准教授 (00421438)
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Keywords | ゲートスタック / high-k絶縁膜 / Ru(ルテニウム) / Mo(モリブデン) / メタルゲート / 仕事関数 / 偏析 / アモルファス |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、メタル/high-k絶縁膜ゲートスタック構造の界面を理解・制御することである。具体的には、コンビナトリアル手法を用いてRu-Mo合金の組成を変化させる事で結晶構造及び仕事関数の操作をおこなった。その合金をSiO2及びhigh-k絶縁膜の電極として用いる事により、金属本来の仕事関数が、結晶の配向性/粒径によってどのように電気的特性(フラットバンド電圧)に影響を与えるかを詳細に検討した。 Ru-Moは結晶構造がbcc(Mo)からfcc(Ru)へと変化する。べースになる結晶構造がbccであるかfccであるかによって仕事関数のRu濃度依存性は異なる事がわかった。また、Ru濃度60-95%の領域において、金属/絶縁膜界面へMoが偏析し、実効仕事関数を変化させる事を見いだした。この偏析Moによる仕事関数制御は、high-k絶縁膜上で起こるフェルミレベルピニングに対して、耐性がある事が明らかになった。 結晶粒径を制御するためにRu-Mo合金に対して1-10%のC添加を行った。金属ガラスの研究から金属のアモルファス化に際する経験則のうち、「原子半径が12%以上異なる元素を添加する」というものがある。また、結晶合金の共晶点ではアモルファス化がおこりやすい。我々は、C添加によって実際に共晶点近傍に局在するアモルファス領域を拡大する事を実現した。また、約10%のC添加によってRu濃度に関わらずほぼアモルファス化できる事を確認した。金属電極のアモルファス化/微結晶化は、今後ますます微細化が進むデバイスの特性ばらつきの抑制効果が期待される。C添加によって、仕事関数の制御性は変わらない事を確認した。C添加によるアモルファス化は、他の手法(N添加等)に比べてシート抵抗の上昇も低く抑えることができ、非常に有効な手段であると考えている。
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Research Products
(8 results)