2008 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ/フォトニック結晶導波路の偏光無依存高効率光入出力結合
Project/Area Number |
19760031
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水谷 彰夫 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (50400700)
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Keywords | フォトニック結晶 / 偏光無依存 / グレーティングカプラ |
Research Abstract |
光ファイバとフォトニック結晶導波路の偏光無依存高効率光入出力結合に関する研究を行った. 昨年度は, まず偏光依存光結合素子として三角形浅溝を並べた横方向ブレーズ型素子の設計を行い, 光ファイバからの入力を100%としたとき, 50%の結合効率(従来構造25%)が得られることを計算で確かめた. 今年度は, トポロジー最適化により, フォトニック結晶導波路入り口形状を変化させることで,さらに1dB以上の効率向上, 全体として55%以上の結合が可能なことを計算で示した. 素子作製については, 特に重要となる基板上のマークに合わせた凸パターン露光を試みたが, 現有の装置では基板とマスクを密着させたときに3μm程度の位置ずれ(必要精度1μm)が生じてしまうことが分かった。これは, 凸パターン露光にも, EB描画を行うことで改善可能であるが, まず素子完成まで達成するために, 貫通型の横方向ブレーズ型素子とフォトニック結晶導波路の同時作製を試みた. その結果, 素子の完成まで至ったが, 格子部分をエアブリッジ化したために, サンプルによってはクラックが発生してしまうことが分かった. これは, 格子の三角形溝同士が非常に近接しているためであり, 溝配置を工夫することで改善できると思われる. なお貫通型素子の結合効率は, 計算によると30%程度と従来構造の25%よりも大きい. 通常のEBプロセスで, ある程度の効率が得られると予想され, 今後のフォトニック結晶導波路発展に寄与するものと思われる. また, 横方向ブレーズ型素子の偏光無依存化について検討したが, 三角形溝では実現が困難なことが分かった. しかし, 設計の過程で, 単純な1次元周期構造にコニカルマウント配置で斜め入射すると, 適切な入射角において偏光無依存となることを新たに計算で確かめた. 作製が容易な1次元周期構造による偏光無依存化のインパクトは大きい.
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Research Products
(2 results)