2008 Fiscal Year Annual Research Report
映像信号の解読防止と観察領域の限定を可能にする偏光式セキュアディスプレイ
Project/Area Number |
19760036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 裕紹 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (00284315)
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Keywords | ディスプレイ / 情報セキュリティ / 視覚復号型暗号 / 光コンピューティング / 偏光演算 / セキュアディスプレイ / 覗き見防止 / 偏光演算型ディスプレイ |
Research Abstract |
映像信号を暗号化すると同時に観察領域の限定を可能にする情報表示のセキュリティ技術(セキュアディスプレイ)を偏光演算により実現することを本研究の目的として, カラー画像を表示できるセキュアディスプレイのプロトタイプを実現した. 偏光を用いることで, 1画素単位でカラー画像を暗号化できるメリットがある. 第2年度となる本年度には, カラー画像を構成する三原色である赤・緑・青の各色に対してカラー画像の暗号化アルゴリズムを構築し, 偏光演算による復号と観察領域の限定を実証した. 表面ならびに背面の偏光フィルムを剥離した液晶ディスプレイパネルを2枚, 1cmの間隔を設けて, 積層することで偏光演算型ディスプレイを構成した. 偏光演算型ディスプレイに対して, カラー画像を表示するための偏光式視覚復号型暗号アルゴリズムを構築した. 赤・緑・青の3原色に対して乱数に基づく鍵情報により, カラーの秘密画像が後面の液晶ディスプレイパネル向けの表示画像と前面の液晶ディスプレイパネル向けの表示画像に符号化される. それぞれの表示画像は色つきのランダムドット状の見かけであり, 暗号化がなされている. 液晶ディスプレイパネルは通常は1枚による偏光変調に用いられるため, 積層時には波長分散による着色が課題であった. これに対して, 偏光演算に用いられる2枚の液晶ディスプレイパネルの間に半波長の位相差をもつフィルムを挿入することで, 偏光演算のロジックを反転させることが可能とわかった. 実験の結果, 波長分散が主原因である復号結果の着色の防止に成功した. 偏光演算型ディスプレイを用いたカラー表示を行い, 再現されたスペクトル分布を分光器で測定することで, 位相差フィルムによる着色の補正が達成されたことを示した. 表示画像の画素ピッチの拡大と縮小により, 観察空間を限定した.
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Research Products
(17 results)