2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属レンズ共鳴プラズモンを利用したナノ分解能イメージング
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19760039
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小野 篤史 Shizuoka University, 若手グローバル研究リーダー育成拠点, 特任助教 (20435639)
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Keywords | 近接場光学 / 表面プラズモン / イメージング / 金属ナノロッド |
Research Abstract |
本年度は, ナノ分解能イメージングを実現する新しい金属ナノレンズを提案した. 提案した金属ナノレンズは, 金属ナノワイヤを扇形状に束ね, ワイヤの長さ方向にナノサイズのギャップを設けている. アレイ間にテーパーをつけることでナノの物体を拡大して観察する. 観察側のピッチを光の波長以上に拡げればファーフィールド系での観察が可能となる. 金属ナノレンズのイメージングにはワイヤ固有の共鳴プラズモン現象を利用している. 有限長のワイヤに対して定在波となる振動数で共鳴し, 像が得られる. このワイヤに複数個のナノギャップを設けることで定在モードをコントロールし, 広帯域の共鳴プラズモンが励起されることを新たに発見した, この帯域が可視光領域に得られるよう設計することで金属ナノレンズによるカラーイメージングを実現する. これらの光学特性を3次元有限差分時間領域(FDTD)法により示した. ワイヤ長650nmの銀ナノワイヤに対し, 10nmのナノギャップを50nm間隔で設けたところ, 周波数500-700THzの範囲にブロードバンドなプラズモン共鳴スペクトルが得られた. これはナノギャップを設けることで構成される50nm長のナノロッドにおける基本共鳴振動モード(622THz)をベースに, ナノロッドが相互作用を及ぼす範囲に複数個存在することによって全体で様々な振動モードを形成するためと考えられる. 従って, 提案したナノレンズは, 基本となる単位ロッド長と全体長とを制御することによって, 任意の帯域にてプラズモン共鳴を誘起し, ナノ分解能拡大カラーイメージングを実現する画期的なイメージングデバイスであるといえる.
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Research Products
(3 results)