2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー転写を用いた酸化物ガラス微小球のオンデマンド作製技術の開発
Project/Area Number |
19760040
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
奈良崎 愛子 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 光技術研究部門, 研究員 (40357687)
|
Keywords | レーザー転写 / 微小球 / 酸化物 / オンデマンド作製 / 微小液滴 / 微細パターニング |
Research Abstract |
微小球オプティクスは、素子の小型集積化を可能にするだけでなく、光閉じ込め効果による独自機能を有する、次世代オプティクスとして注目を集めている。ただし、その応用には、マイクロメートルサイズの微小球自体ではなく、微小球を組み込んだ光回路としてのハンドリングが要求される。よって、微小球オプティクス作製には、微小球の構造・物性制御だけでなく、光回路中の必要部位に再現性良く位置制御して固定化するオンデマンド作製技術が不可欠である。本研究では、我々が独自開発したナノ秒パルスレーザーアブレーションにより生じる推進力を用いた微小液滴のレーザー転写法を新たに酸化物材料に適用し、サイズ・堆積位置を高度に制御した酸化物ガラス微小球のオンデマンド作製技術の開発を目指す。本年度は、前年度レーザー転写法をインジウム錫複合酸化物に新規適用し得られた知見を基に、多成分酸化物ガラス原料膜の当該レーザー転写により、酸化物ガラス微小球形成の検討を行った。昨年度、インジウム錫複合酸化物では、微細構造を50ミクロンアレイにパターニングすることに成功していたが、結晶性を反映したような特殊形状を有し、球状の微細構造は得られていなかった。そこで本年度は、インジウム錫複合酸化物より非晶質化傾向を有する多成分ガラスを原料膜として新たに調製し、微細構造の球状化を検討した。具体的には、紫外波長域まで高い透明性を有するシリカガラス透明支持板上に、白板ガラスターゲットのパルスレーザー堆積法により多成分酸化物ガラス原料膜を成膜した。得られた原料膜に対して、透明支持板側から紫外ナノ秒レーザーパルスを集光照射することで、対向配置した基板上に微細構造を堆積させた。その時果、原料膜厚の不均一性に起因するとみられる転写位置精度の制御性の低下が見られたが、インジウム錫複合酸化物では難しかった半球状の微細構造の転写を確認することに成功した。
|
Research Products
(3 results)