2007 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルス中性子に対応した中性子干渉光学素子の開発と分光器への応用
Project/Area Number |
19760046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北口 雅暁 Kyoto University, 原子炉実験所, 助教 (90397571)
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Keywords | 中性子光学 / J-PARC / 中性子干渉計 / 基礎物理 / スピンエコー / ソフトマター |
Research Abstract |
多層膜冷中性子干渉計を構成する光学素子「ビームスプリッティングェタロン」は斜入射された中性子ビームを空間的2経路に分割する。エタロンには中性子を反射する多層膜ミラーが製膜される。磁気ミラニは中性子をスピン空間で分割し経路の磁気制御を可能にする。パルス中性子に対応できる磁気スーパーミラーを複数種類試作し磁化特性を調べた。また干渉計の高精度の配置手順を確立するため、単色中性子用であるが空間的分離が従来の5倍のエタロンを作成した。干渉計構築の障害になる中性子ミラー製膜時の基板変形を詳細に調べた。またAharonov-Casher効果測定の準備を進めた。 既に定常中性子を用いて実効1MHzのMIEZE型スピンエコー装置を実証している。MIEZE型中性子スピンエコー分光装置にイベント駆動型のデータ収集システムを導入し、白色パルス中性子に対応できることを確認した。高い時間分解能(0.1μsec程度)の飛行時間データを長い時間(50msec程度)にわたって到達するパルス中性子全てのデータを取り続けることができる。 高分解能スピンエコーでは発散を持つビームによりシグナルのコントラストが低下する。ビームの入射角によってスピン位相差が積算する距離が異なるためである。共鳴スピンエコー法ではスピンフリッパーの量子化軸がビーム進行方向に対して垂直なため、従来型のスピンエコーで用いられるフレネルコイルが適用できず、ビーム発散補正はこれまで不可能とされてきた。今回スピンフリッパー前後に非一様な静磁場を適用することで共鳴スピンエコーのビーム発散効果を補正する手法を提案し、シミュレーションでその可能性を確認した。
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Research Products
(6 results)