2007 Fiscal Year Annual Research Report
心臓磁界計測用インダクション磁気センサシステムの開発
Project/Area Number |
19760048
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田代 晋久 Shinshu University, 工学部, 助教 (50325487)
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Keywords | 磁気センサ / 心臓磁界計測 / 低周波微弱磁界 |
Research Abstract |
(1)安価な心臓磁界計測環境の作製 ヒトを許容できるサイズを有する一様磁界発生コイルの設計を行った。同じ大きさの正方形コイル,簡単な巻数比で一様磁界発生が行えるコイルシステムの設計法を提案し,試作したコイルシステムで地磁気を1μT以下の低減に成功した。これはPCパーマロイ等を用いた数千万円程度の高価な強磁性体シールドと同程度のレベルであり,振動に起因するノイズを大きく低減できる。一方,今年度はファラデーケージ製作用のスペース確保が行えず心臓磁界計測に不可欠と思われる静電シールド対策が行えなかったため,次年度(既に場所は確保)の課題となった。 (2)心臓磁界計測の実証 グラジオ構造インダクション磁気センサの設計法を提案し,試作したコイル幅c=3cmのBrooksコイルを用いたインダクショングラジオメータと各パラメータは誤差3%以下で一致した。長方形領域に一様磁界を発生可能なSimple-Box-9コイルシステムを設計・製作し,センサのキャリブレーションを行った。ノイズ源が十分一様と仮定できる磁気ノイズに対し,開発したインダクショングラジオメータは1/100のノイズ除去性能があることを確認した。手始めに100pT,1Hzのファントム磁界を用いた実証試験には成功したが,センサ出力に混入する商用周波数ノイズが大きく,ヒトを対象とした心臓磁界計測の実証に至らなかった。次年度,静電シールド対策をクリアした後の課題となった。 (3)高分解能インダクション磁気センサの製作 生体磁気計測で使用されるSQUIDセンサと同程度となるコイル外径2cmのインダクション磁気センサを製作した。コイルの占積率を低減することで,磁束-電流換算係数が理論通り向上できることを確かめた。 (4)同時測定システムの構築 LabViewによる安価なPCベースの計測装置を用いてシステム構築を行った。
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