2007 Fiscal Year Annual Research Report
周期的な結合構造物における局在振動現象の数理的研究
Project/Area Number |
19760053
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 陽介 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (30304033)
|
Keywords | 周期構造 / 局在振動 / 非線形局在モード / 連接剛体系 / メガフロート |
Research Abstract |
本研究では「非線形局在モード(ILM)とよばれる空間周期構造糸に特有な局在振動に着目し、メガフロート(超大型浮体式構造物)に代表される巨大周期構造物に生じる長時間持続局在振動境象の解明を目的としている。メガフロート系におけるTLMの生成条件、メガフロードを構成するユニットの物性(部材の質量や連結部の〈硬さ〉等)やメガフロート海面の相互作用のILMへの影響、およびILMの制御や崩壊等に関する定性的で数理的な知見を与えることを目指している。 今年度は最初に、メガフロート系を記述する解析モデルとして、〈周囲流体と相互作用のある〉「連接剛体系」モデルを構築し、系の支配方程式の導出を行った。このモデルに対して、まず〈定在型〉のILMの存在およびその性質について、パラメータに対する詳細な数値計算を行った。ILMの生成については連接剛体系の初期形状、連結部の硬さ(非線形性)、系の変位に対する海面からの復元力大きさが重要なパラメータとなる。これらの値の様タな組み合わせに対して数値計算を行うことにより、パラメータ空間におけるILMの存在範囲を明らかにした。 次に、上で得られた知見を基に、<移動型>のILMに関する数値計算を行った。初期条件として非対称な系形状を与えると、生成したILMが〈動き出す〉ことを確認した。動きでしたILMは系の一方の端へと向う。端に到達したILMは端で跳ね返されて、何度もそこで〈バウンド〉を繰り返す場合やバウンドを繰う返した後、端で定在する場合、あるいは端で強く跳ね返されて系を横切り、他方の端との間で何度も往復する場合等、いろいろな移動パターンがあることが明らかになった。これらの移動パターンは系の初期形状(ILMの初期位置)に強く依存しており、これを新たなパラメータとする移動パターンの分類が考えられるが、このためにはパラメータに関する更に詳細な数値計算が必要である。
|
Research Products
(6 results)