2007 Fiscal Year Annual Research Report
圧力・磁場制御型自己集合を用いた磁性ナノ粒子2次元配列膜の構造解析計算
Project/Area Number |
19760054
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
青島 政之 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 助教 (20315625)
|
Keywords | 強磁性ナノ粒子 / 鎖状構造 / 単層膜 / 垂直外部磁場 / モンテカルロ・シミュレーション / 構造・機能材料 / 計算物理 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
初年度はモテル構築およびモンテカルロ浜による計算プログラムの開発を行い,垂直磁場と密度をパラメータとした単層膜の構造を詳細に解析した。モデル系として擬2次元系を取り扱った!強磁性粒子モデルとして,中心に磁気モーメントを持つ球状粒子を仮定し,厚さが一定の界面活性剤層で覆われていると仮定した。計算結果はスナップショットの他に動径分布関数と配向分布関数を用いてミクロ構造の定量的な評価を行った。さらに,密度に依存した磁化曲線を計算した。得られた結果を要約すると以下のとおりである。 密度が比較的小さい場合,単層膜のミクロ構造は垂直外部磁揚の作用によりネットワーク構造から孤立粒子分散構造へと変化する。中間的な密度の場合,比較的強い磁揚を印加した場合にネットワーク構造がアモルファス構造になる。ポテンシャルエネルギーの観点から鎖状構造の安定性を議論することにより,粒子間の磁気的相互作用がミクロ構造の変化に対して支配的であることが示された.対照的に,高密度の場合は外部磁場の作用により渦巻構造が六方細密充填構造へと変化する。この変化は,異方的だった粒子間の磁気的引力相互作用が,非常に強い外部磁揚の印加によって等方的な磁気的斥力相互作用に変化することにより,粒子表面を覆う界面活性剤層に起因する斥力相互作用の寄与が促されることに起因する!これらのミクロ構造は外部磁場と粒子間相互作用のバランスによって支配される粒子の配向に大きく依存している。密度が増加するにつれ磁場方向への配向は困難となるので,磁化曲線の傾きは減少する。以上より,強磁性ナノ粒子からなる単層膜のミクロ構造に対する垂直外部磁場および密度の影響が定量的に明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)