2008 Fiscal Year Annual Research Report
結晶・非晶質構造体の局所塑性変形の連結・伝ぱメカニズムに関する原子・分子論的研究
Project/Area Number |
19760061
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
下川 智嗣 Kanazawa University, 機械工学系, 准教授 (40361977)
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Keywords | 分子動力法 / 塑性変形 / 力学特性 / 粒界 / 転位 / 高分子材料 / ナノ結晶 / 計算 |
Research Abstract |
共有接合を有する高分子構造を2次元で表現するために拡張した3体ポテンシャルのパラメータを制御することで, 角度変化に対するエネルギー障壁の大きさを変え, 各モデルに対して周期境界条件を適用し, 分子動力学シミュレーションにより単軸圧縮変形をおこなうことで, 高分子鎖の配置の多様性と局所変形の関係を検討した. 3体項のエネルギー障壁が低くなるほど均質変形を行ない, エネルギー障壁が大きいほど最大分解せん断応力の方向に局所的に高分子鎖の配向が変化していることが確認でき, 局所変形が発生することが確認できた. また, 分子鎖の配向が変化する領域近傍で分子鎖内の結合角度の変化が確認できることから, 配置の多様性を抑制することが局所的な変形を促進することに関係があることが推測できた. また, 金属結晶性材料においては, き裂から転位を放出させることで局所的な変形を開始し, 内部応力場の発展に伴ない転位源がき裂から粒界に移ることを見出した.また, 特定の粒界から大量に転位を放出することが可能であることを詳細な粒界構造の解析より確認し, このような現象が材料の局所的な変形の伝ぱに重要であることを示した. 内部構造の異なる高分子材料や金属材料に対して変形シミュレーションを行なうことで, 内部に生じる局所的に強い応力の伝ぱを開放するメカニズムの違いが局所的な変形の発生と密接な関係があることを示した.
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Research Products
(16 results)