2007 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみ誘起量子ドットの形成メカニズム解明と成長シミュレーション
Project/Area Number |
19760067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松中 大介 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (60403151)
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Keywords | 結晶成長 / 第一原理計算 / ポテンシャルエネルギー表面 / 自己組織化量子ドット |
Research Abstract |
Ge/Si(001)ヘテロエピタキシー成長において量子ドット形成メカニズムを第一原理的に理解するために、Ge吸着原子が感じるポテンシャルエネルギー表面(PES)を密度汎関数理論に基づいて算出し、Ge吸着原子の表面ダイナミクスについて解析を行った。主要な拡散経路であるダイマー列上の[110]方向の拡散障壁はGe濡れ層の堆積に伴って増加し、Ge吸着原子の表面拡散は抑制されることを明らかにした。一方、ダイマー列間の[110]拡散障壁は減少しダイマー列上の拡散障壁と同程度となり、表面拡散におけるダイマー列の影響は小さくなる。これらのPESの変化はSi表面上とGe濡れ層とで著しいが、濡れ層膜厚の増加によるPESの変化は小さく、ヘテロ界面の影響は濡れ層数層で緩和されていることを示した。 基板と濡れ層のヘテロ界面の電子状態に対してミスフィットが与える影響を第一原理計算によって調べた。界面並行方向に拡張したスラブモデルを用いることでミスフィットの効果を考慮し、界面緩和構造によるひずみエネルギーが界面密着エネルギーに対して大きな寄与を与えることを示した。また、界面の局所的な原子配列によって化学結合性は異なり、濡れ層のひずみは不均一であることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)