2007 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバを用いた空間選択的高速測定法による光硬化FRPの硬化進展モニタリング
Project/Area Number |
19760074
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高坂 達郎 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 講師 (80315978)
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Keywords | 硬化モニタリング / 光ファイバセンサ / 屈折率測定 / 多点計測 / 紫外線硬化樹脂 / 複合材料 / 硬化度測定 / アレイ型センサ |
Research Abstract |
近年,紫外線硬化樹脂をマトリクスに用いたFRPが,省エネルギー,低い成形コスト,低い熱残留応力などの利点から注目されている。しかしながら,紫外線硬化樹脂は照射面から内部方向に分布を持って硬化が進展するため紫外線硬化FRPの成形条件の最適化は難しく,高品質なFRPを製造する上では問題となる。よって,紫外線硬化FRPの硬化状態を分布的に測定する手法は,成形条件の最適化という観点から非常に重要である。紫外線硬化樹脂の硬化モニタリング手法についてはさまざまな手法が提案・実用化されてきたが,硬化状態を分布的に測定する手法の開発は十分ではなかった。本研究では,樹脂硬化度の空間選択的高速測定法の開発を行った。提案した手法は,光ファイバ屈折率測定を用いた任意の位置の微小領域での硬化度リアルタイム測定法であり,複数の光ファイバを用いてアレイ型センサを開発することにより,複数の位置における硬化度を同時にモニタリングした。最初に,光ファイバを用いた微小領域硬化度分布測定のためのアレイ型屈折率センサを設計、製作し,その性能検証を行った。試験には,液体の屈折率測定にシリコンオイルを,硬化度測定にエポキシ樹脂をそれぞれ用いた。得られた実験結果では測定に用いた複数点から得られた屈折率値,そして硬化度の時間に対する変化曲線が全て一致し,開発されたセンサで正確な硬化度モニタリングが可能であることが分かった。次に,アレイ型センサを用いて紫外線硬化樹脂の硬化進展の深さ分布のモニタリングを行った。得られた結果より,表面からの位置が深いほど硬化開始が遅れることが分かった。さらに,硬化発熱による温度分布が存在したにもかかわらず,硬化進展速度は深さによらないことも明らかとなった。以上より,開発されたセンサによって,紫外線硬化樹脂の深さ方向の硬化度分布の測定がリアルタイムで可能であることが分かった。
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