2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ領域ひずみ測定用多機能近接場ラマン分光装置の開発によるバイオ圧電材の機能評価
Project/Area Number |
19760078
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
來海 博央 Meijo University, 理工学部, 准教授 (30324453)
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Keywords | ナノ空間分解能 / その場観察 / 近接場ラマン散乱光 / ひずみ測定 / 原子間力顕微鏡 / トポロジー / バイオ圧電材料 / 機能評価 |
Research Abstract |
本年度得られた実績の主な内容を以下に示す. 【1】多機能近接場ラマン分光装置の開発に向けたAFMヘッドの開発 本研究では,ひずみ測定を近接場ラマン散乱光のピークシフトの変化量に着目して行うため,近接場光の発生が必要不可欠である.近接場光の発生には,ナノレベル微小細孔を有するプローブを数10nmオーダーでアプローチし,レーザーを照射する必要がある.そこで,アプローチ機構に原子間力顕微鏡を流用し,レーザーを集光させる対物レンズならびにレンズの差動距離を許容する空間と,その場観察用荷重負荷冶具が搭載できるAFMヘッドの設計・製作を行った. 【2】多機能近接場ラマン分光装置の開発に向けたAFMヘッドの性能評価 本研究の最終目標として,トポロジーと表面電荷の同時計測を目的としており,AFMの機能を十分発揮できることが必要である.そこで,開発したAFMヘッドでのナノレベルでのアプローチとトポロジー計測の精度を検討した.市販のAFMと開発したAFMヘッドを用いて標準試料を測定・比較したところ,両測定結果はほぼ一致しており,開発したAFMヘッドが十分機能することが分かった. 【3】開発したAFMヘッドと顕微ラマン分光法の複合化による近接場ラマンスペクトルの計測 上記の項目で開発したプロトタイプのAFMヘッドと顕微ラマン分光装置とを複合化し,プロトタイプ近接場ラマン分光装置を構築した.対象材料はシリコン(Si)とし,アプローチ距離と近接場光強度との関係を計測した.近接場ラマン光は従来のラマンスペクトル強度に比べ6分の1程度と弱く,光学系ならびにレーザー強度の検討が必要である事が分かった.
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