2007 Fiscal Year Annual Research Report
インプランタブル圧電薄膜アクチュエータ創製のためのトリプルスケール解析法の開発
Project/Area Number |
19760080
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
上辻 靖智 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00340604)
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Keywords | 第一原理計算 / 均質化法 / マルチスケール有限要素法 / 密度汎関数法 / 圧電材料 / 生体適合材料 / スパッタ薄膜 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は下記の3項目に大別される. 1.新規生体適合ペロブスカイト型化合物の安定構造および結晶物性評価法の確立 ペロブスカイト型化合物の安定構造および結晶物性評価には,計算精度・効率を考慮して密度汎関数法(擬ポテンシャル法)を採用した.実験値のない新規化合物に対しては正方晶における構成原子座標の初期設定が困難であるため,フォノン振動モード解析を導入して立方晶から正方晶の安定構造および圧電特性を解析する新たな評価法を試みた.構造が明らかな既存圧電材料BaTi0_3により検証した上で,新規生体適合圧電材料MgSi0_3への適用を図った. 2.ラテン超方格法によるエネルギおよび結晶物性の関数化 薄膜結晶の成長を支配する薄膜-基板間の結晶整合性をエピタキシャルひずみにより評価した.すなわち,正方晶の安定構造に対してエピタキシャルひずみを負荷した場合のエネルギを密度汎関数法により算出し,結晶成長を予測した.また,結晶配向に応じてエピタキシャルひずみが異なり結晶構造が変化することから,各ひずみ状態の結晶物性(弾性スティフネス,誘電率,圧電応力定数)も算出した.さらに,任意のひずみ状態に対するエネルギおよび結晶物性が必要であるため,ラテン超方格法により効率的にサンプリング点を設定しエピタキシャルひずみを独立変数として関数化した. 3.ポテンシャルエネルギによる結晶成長性および結晶方位分布の定量的評価法の開発 複数の結晶セルに対して基板上でのあらゆる配向および配座を考慮して,薄膜-基板間の結晶整合性を評価した.ここで,結晶配向はペロブスカイト型正方晶の対称性を考慮して5方位に限定し,結晶セル数,格子整合率(ひずみにより関数化したポテンシャルエネルギ),原子整合率により結晶成長性を定量化した.また,定量化された結晶成長性に基づいて,圧電薄膜における結晶方位分布を予測した.
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Research Products
(16 results)