2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760081
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
宮下 幸雄 Nagaoka National College of Technology, 機械工学科, 准教授 (00303181)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 光機能 / 機能性材料 / 応力・ひずみ測定 / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究では,弾性域の応力負荷においても発光を示す応力発光材料を用いて,き裂の検出および応力拡大係数の直接評価を行う手法を開発することを目的とする.本年度は,まず,応力発光材料と樹脂の複合材料の試作を行った.市販の応力発光材料粉末(欠陥制御型ユーロピュウム賦活アルミン酸ストロンチウム)をエポキシ系樹脂材料に混合し,複合材を作製した.応力発光材料粉末の含有量の増加にともない,発光強度は増加するが,樹脂の凝固中,応力発光.材料粉末の凝集や沈殿が生じやすくなり,また,凝固後に得られる複合材がもろくなる.そこで,応力発光材料と樹脂の混合比および攪拌条件を変えて試料を作製し,適切な条件を見出した.この条件に基づき,試験片形状の型を用いて成形することで,引張り試験片を作製した.つぎに,応力発光現象観察装置を試作した.小型引張り試験装置に光学顕微鏡および高感度CCDカメラを取付けた.小型引張り試験装置は,荷重負荷によって観察位置が移動しない構造とした.応力負荷中に発光現象の観察が行えるよう,適切な視野を確保できる観察用レンズおよび十分な感度を有するCCDカメラを選択した.以上より得られた試験片および装置を用いて,片側Vノッチ入試験片に引張り負荷を加えてき裂を進展させ,その間,き裂先端部近傍における発光現象の観察を試みた.引張り負荷によって,ノッチ先端部よりき裂が発生した.さらに,ステップ上に負荷を加えると,き裂は進展を続けた.き裂進展中,き裂先端部近傍において,発光現象を観察することに成功した.発光箇所は,き裂先端部から20μm程度離れた位置であった.強い発光が認められた粒子の直径は,今回の実験で用いた応力発光材料粉末の最大直径と等しい10μm程度であった.
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