2007 Fiscal Year Annual Research Report
微細軸の瞬時自己形成現象に関する動的観察と電極加熱方式の研究
Project/Area Number |
19760086
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田邉 里枝 Nagaoka University of Technology, 工学部, 助教 (70432101)
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Keywords | 微細軸 / 瞬時形成 / 放電 / 加熱 / レーザー |
Research Abstract |
直径0.1mm程度の電極を大電流で1パルスだけ放電を行うと、電極の先端に直径約20μm、長さ約200μmの微細な針状の軸が数百μsで形成される。一般的な微細軸の作製方法では数十分の時間を要するため、瞬時形成できるこの方法において、安定した大きさの微細軸が得られるようになれば、形成された微細軸とその作製方法とが実用的になると考えている。 申請者は、微細軸形成メカニズムを追究し、電極周囲から電極軸中心方向への伝熱による溶融の進展速度を制御することが、軸径の精度向上に重要であることを明らかにした。電極側面への熱供給はレーザーを用いても可能である。 本研究は、従来の放電による電極加熱方式とレーザーによる電極加熱方式を比較検討し、直径が数十μm以下、長さ100μm以上の金属微細軸を、再現性良く作製するための電極加熱条件を探索することを目的としている。 本年度は、微細軸の形成条件を確立しているタングステン電極を用いて、放電による加熱に重点を置いて実験を行った。放電による電極加熱では、放電発生点は毎回異なり制御できないため放電ごとの揺らぎがある。この理由は、放電開始直後から高電流をかけているため電極周囲に高圧力が発生しているためではないかと考えた。そこで、放電初期に発生する衝撃が低くなるように、放電電流波形を工夫した。通常は、高電流の矩形波であるが、本研究では低電流から高電流に切り替わる2段の段付の矩形波とした。本年度において試した実験条件では、電流波形を段付にしたことで微細軸の平均軸径およびその標準偏差はわずかに減少したが顕著な効果は見られなかった。 半導体レーザーを購入し、電極先端に照射して電極の溶融を大気中で試みた。まずは、1方向からの溶融を試みたが、電極の溶融凝固部は酸化しもろい繊維状のものが付着した。不活性ガス中での電極溶融のための条件を探索中である。
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Research Products
(4 results)