2008 Fiscal Year Annual Research Report
溶融金属の除去能力に優れるノズルを用いた薄板の精密微細レーザ切断加工
Project/Area Number |
19760089
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 康寛 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (40304331)
|
Keywords | シングルモードファイバレーザ / 高性能ノズル / 精密切断加工 / レーザ加工 / ラバルスロート / アシストガス |
Research Abstract |
1. 切断実験およびその評価 金属薄板に対して切断加工実験を行い, 切断条件が加工結果に及ぼす影響を検討した. Qスイッチ発振の場合, 銅薄板に対しては低パルス繰り返し数を用いることで高いピーク出力が得られることから高速での切断が可能であった. 昨年度に取り組んだ「高性能ノズルの設計, 製作」により得られたラバルスロートノズルを用いることで, 従来のストレートスロートノズルでは困難であった高パルス繰り返し数の領域においても切断が可能となった. さらに, ラバルスロートノズルに初期膨張部を設けることで, 高パルス繰り返す数においても高い切断可能速度が得られた. また, アシストガスに窒素を用いることで, 低速においてもドロス発生量を低減でき, 熱影響の少ない良好な可能が可能となった. 2. 加工現象の観察による切断特性の解明 超高速度カメラを用いてステンレス薄板の切断加工時における溶融金属の飛散状況を観察したとこと, 従来のストレートノズルよりも, 新たに開発したラバルスロートノズルの方が溶融物の除去量が増大していること, および溶融金属の飛散角度が小さく, 溶融金属を下方へ効率的に排出できていることが明かとなった. 昨年度の結果と併せて考えると, ラバルスロートノズルを用いることで高い試料上ガス圧が得られる. それにより溶融金属の除去量力が向上し, 従来のノズルでは困難であった加工条件においても切断が可能となったものと考えられる. また, これはドロスの低減効果にもつながるものであった. この効果は, 低中圧のボンベ圧でも得られることから, 従来のように高圧ガスを用いずとも良好な切断が可能となり, アシストガスの消費量を大幅に抑制することができる.
|