2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノダイヤによるトライボファブリケーション技術に関する研究
Project/Area Number |
19760094
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 照子 The Institute of Physical and Chemical Research, 大森素形材工学研究室, 協力研究員 (50312260)
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Keywords | 一桁単分散 / ナノダイヤモンド / 研磨加工 / トライボロジー / トライボファブリケーション |
Research Abstract |
本研究では, 超精密加工用研磨砥粒としての一桁単分散ナノダイヤモンドの可能性をトライボファブリケーションの観点から明らかにした. すなわち, まず, ナノダイヤ水性コロイドの潤滑特性を解明するために, 窒化ケイ素, 炭化ケイ素セラミックスに対し, ナノダイヤ濃度を0.001wt%〜4.9wt%まで変化させ, 種々の荷重条件下において水潤滑特性の評価試験を行った. 窒化ケイ素については, ナノダイヤ濃度0.01wt%以上では, 摩擦係数μ=0.05〜0.09を示し, 潤滑特性が非常に優れることが明らかとなった. また, 表面粗さの異なる窒化ケイ素に対しては, ほぼ汎用潤滑剤と同等の潤滑能力を有すること, ナノダイヤ濃度の増加に伴い摩擦係数が減少することが判った. シリコンに対しては, ナノダイヤ濃度0.5wt%以上の時, 焼付き防止効果および摩耗抑制効果が高まることが示された. これらの結果から, ナノダイヤ濃度を0.001wt%〜5wt%まで変化させ, 黄銅の研磨特性評価試験及び研磨加工試験を行った結果, 以下の結論を得た ; ナノダイヤ濃度0.5wt%以上では, μ=0.28以下となり, 黄銅に対する摩耗抑制効果が高いことを明らかにした. そして, 研磨特性評価試験において, 接触圧力と摩耗深さ及びナノダイヤ濃度(研磨液製造条件)の関係を見出し, ナノダイヤ濃度0.01wt%以下が研磨液として有効であることを明らかにした. その上で, ナノダイヤ濃度0.01wt%〜0.001wt%で研磨加工試験を行った結果, 0.005wt%ナノダイヤ潤滑下では表面粗さRaを4.41nmまで低減できることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)