2007 Fiscal Year Annual Research Report
最適設計に基づくコンプライアントメカニズムのユニバーサルデザイン
Project/Area Number |
19760100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 一浩 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90314228)
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Keywords | コンプライアントメカニズム / ユニバーサルデザイン / 構造最適化 / レベルセット法 / 形状最適化 / ロバスト設計 |
Research Abstract |
本年度では,ユニバーサルデザインを目指したコンプライアントメカニズムを構造最適化法により得るための方法論構築の基礎的検討をおこなった.レベルセット法に基づく構造最適化(Structural Optimization Based on Level-set Method:SOBLM)は,数理的な手続きに基づき抜本的に構造の外形形状を改善するために近年注目を集めている方法である.本研究では,SOBLMをコンプライアントメカニズムの設計に適用する方法に関する開発を目指している.SOBLMを用いた最適設計を行うためには,ユニバーサルデザインの設計指針を考慮したコンプライアントメカニズムの最適設計問題の定式化を行う必要がある.本年度の研究では,ユニバーサルデザインの設計指針として,使用者の身体的特性の多様性と使用者の負荷を考慮した最適設計法を開発した.メカニズムの使用者の多様性に対応するためには,使用者の身体的特徴の差異によるメカニズムの入力の変化という外乱に対して,メカニズムの性能が落ちないような設計を行う必要がある.そこで,このような設計問題に対してロバスト設計法の考え方を取り入れることによって,最適設計問題の定式化を行った.さらに,使用者の負荷を考慮するために重心の位置をコントロールすることのできるように最適化問題の定式化を行った.このように新しく定式化を行った最適設計問題を,SOBLMによって解くことで,所望の性能をもつコンプライアントメカニズムの形状を自動的に導出することが可能となった.最後に,以上の方法が有効に機能することを確かめるために,提案するアルゴリズムを実装し,実際に有効なコンプライアントメカニズムが得られることを確認した.
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