2007 Fiscal Year Annual Research Report
MCナイロン歯車ラッピングを施した浸炭焼入れ歯車の負荷能力
Project/Area Number |
19760106
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
森川 浩次 Sasebo National College of Technology, 機械工学科, 准教授 (90332098)
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Keywords | 浸炭歯車 / ラッピング / 負荷能力 / MCナイロン / 歯面粗さ / 硬さ / 残留応力 / ショットピーニング |
Research Abstract |
MCナイロン材を歯車仕上げ加工工具とするMCナイロン歯車ラッピング技術を利用して、浸炭焼入れ歯車の歯面粗さを低減させ、その負荷能力を向上させることを本研究の目的とした。 本年度(平成19年度)では、(1)MCナイロン歯車ラッピング加工機の調整、(2)被加工歯車の製作、(3)ラッピング加工試験、(4)浸炭歯車に対するラッピング最適加工条件の検討を実施した。 (1)では、本研究における運転試験を考慮した歯車諸元に合わせるため、本校で試作した歯車ラッピング加工機の調整を行った。(2)では、浸炭材としてSCM415材を用い、ブランク加工から歯切りそして熱処理後の歯面研削(ラッピング加工前の歯面性状を統一するため)まで行い、被加工歯車とした。(3)では、MCナイロン加工歯車を別途製作し、(2)で製作した被加工歯車とともに歯車ラッピング加工機に組み付けることで、加工試験を実施した。加工試験では、被加工歯車歯面の粗さ・硬さ分布・残留応力分布・歯形誤差・歯すじ誤差などを測定した。(4)では、(3)の各種測定データをもとにしてラッピング最適加工条件の検討を行った。歯面研削後(ラッピング前)の歯面粗さは約2μmRzであった。現段階で得られているラッピング最適加工条件を用いて加工を行うと、短時間で歯面粗さを約1μmRz以下にまで低減できることが明らかとなった。 今後、このラッピング最適加工条件を用いて、ショットピーニングを施した歯面にも適用できることを確認し、動力循環式歯車運転試験機を用いて負荷能力を調査する計画である。
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