2009 Fiscal Year Annual Research Report
ターボ機械におけるマルチスケール流れの統合数値解法に関する研究
Project/Area Number |
19760107
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 和豊 Kyushu University, 工学研究院, 助教 (00344622)
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Keywords | ターボ機械 / マルチスケール / 数値流体力学 / 流体工学 |
Research Abstract |
ターボ機械内では様々な大規模渦が形成される.これらの大規模渦は,より小さな多数の渦から構成されている.このような大規模渦と微小規模渦とで異なるスケールで異なる計算手法で解析を行うマルチスケール解析が高精度乱流解析に有効であると考えられる.マルチスケール解析では微小スケールの物理現象がより大きなスケールのそれへ影響を及ぼすようなものが対象とされるが,ターボ機械内の乱流解析もまた微小規模渦が大規模渦に影響を与えるためマルチスケール解析といえる.本研究の目的は,マルチスケール乱流解析を実現できる計算手法を新たに開発し,ターボ機械流れに適用することである.本研究では,格子ボルツマン法を用いたマルチスケール解析手法の開発に取り組んだ.格子ボルツマン法(Lattice Boltzmann Method : LBM)は,気体分子運動論をアナロジーとした,仮想粒子の運動から流れ場を再現するメゾスコピックな計算手法であり,タービン翼面上のような乱流境界層内の微細な乱流の渦粒子の挙動を高精度に予測できる可能性を秘めていると考えられる.本年度は,高負荷低圧タービン翼列における剥離遷移流れについて格子ボルツマン法による解析を試みた.比較のために,乱流解析に一般的に利用されるNavier-Stokes方程式をベースとしたLES (Large-Eddy Simulation)を実施し,その有効性を検証した.主に,翼負圧面上に形成される時間平均的な剥離泡に関して,速度およびそのRMSの分布を実験と比較した.その結果,格子ボルツマン法は高負荷低圧タービン翼列における剥離遷移流れを精度よく予測できることが明らかとなった.また,計算時間について,LESに比べて大きなメリットがあることが確認された.
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Research Products
(2 results)