2008 Fiscal Year Annual Research Report
溶液晶析の結晶品質のCFDによる高精度予測を目的とした核発生モデルの開発
Project/Area Number |
19760112
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
三角 隆太 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (40334635)
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Keywords | 撹拌 / 晶析 / CFD / 乱流現象 / 結晶摩耗 / 核発生 / 固液混相流 / 製薬工業 |
Research Abstract |
本研究では、化学・製薬工業での代表的な反応・分離操作の一つである晶析操作について、結晶製品の高度な品質予測・制御方法の構築、生産性の向上を目指して数値流動解析およびモデル実験を行った。得られた知見は以下の通りである。 (1)「撹拌翼・邪魔板・槽壁と結晶の衝突現象」に関して、数値流動解析とDEM(離散要素法)解析を組み合わせることにより、撹拌槽内の乱流状態・粒子挙動の定量的な評価を行った。今年度は特に、固液撹拌操作で汎用されるパドル翼とディスクタービン翼を対象に、結晶の衝突頻度、衝突エネルギーについて比較した。その結果、パドル翼とは異なり、ディスクタービン翼では撹拌軸と撹拌羽根の間を通って、羽根の裏側へと抜ける特徴的な流れが形成されており、羽根の縁に衝突する粒子が多数発生することが確認された。そのため、羽根との衝突速度が大きな衝突が多くなることを明らかにした。従来、パドル翼とディスクタービン翼は同等の混合特性を有するものと考えられてきたが、晶析操作で使用する場合には、慎重な検討が要求されることがわかった。 (2)「高懸濁濃度・高効率晶析操作条件の検討」に関して、前年度に引き続き、ドラフトチューブ付き撹拌型晶析装置を用いた半回分式食塩蒸発晶析実験において、高懸濁濃度条件での最適な晶析操作条件について検討した。その結果、種晶の粒径や、添加重量が変化する場合でも、粒径分布の単峰性と高い結晶成長速度を両立させる最適操作条件は、種晶の粒子個数で整理できることが、新たにわかった。この結果については、工業晶析国際シンポジウム(ISIG17)において発表した。さらに同装置に対して、結晶スラリーの連続抜き出しシステムを新たに付加し、連続式操作に関する検討を開始した。
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