2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 晋 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (40321616)
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Keywords | 乱流 / 混合 / 歳差 / 二軸回転球 / 実験 |
Research Abstract |
自転する球体を回転するターンテーブルの上に設置するとその歳差運動が実現される。歳差運動する球体中の流れは容易に乱流化するので、この装置を用いた新しいタイプの混合装置の開発が期待される。ところで2つの軸が直交し、またそれぞれの回転角速度が一定の場合、この流れは自転角速度で定義されるレイノルズ数と歳差強さの2つのパラメタのみに支配される。これらのパラメタの制御は精確に行えるので、内部流れ(およびこの流れによる混合)も精度よく制御できるはずである。我々は室内実験および数値計算を通じて、歳差球体内の流れによる混合の制御法の確立を目指している。 まず数値実験によりレイノルズ数を1500に固定したまま歳差強さを変化させた場合、歳差強さが約0.2の揚合に混合が最適化されることを明らかにした。ここで分離の強さとよばれる指標を用いることにより客観的に混合(分離)の度合いを定量化することに成功した。一方室内実験に関しては、装置の大改修を行った。流速計測には粒子画像流速測定法を用いるが、用いる光源がより強いほどより速い流れの計測が可能となる。今年度本補助金で購入した高出力のレーザーは筐体が大きいためターンテーブル上に設置することができない。そこで光学素子を実験室系と回転系とに工夫して配置することにより実験室系に光源を設置したまま回転系での計測が行える装置を考案し製作した。また、入射するレーザー光や撮影画像の屈折による歪みを最小限にするため容器の外壁形状に工夫をした。さらに、作動流体(水)の温度(したがって動粘性係数)を精確にモニターできるようにした。以上により、従来の装置では不可能であった高レイノルズ数の流れの高精度の計測が可能となった。
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