2007 Fiscal Year Annual Research Report
壁面近傍を流動する生体高分子の一分子計測と数理モデルの構築
Project/Area Number |
19760117
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新宅 博文 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (80448050)
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Keywords | 界面動電位 / 電気二重層 / 生体高分子 / 微小流路 / 界面 / 電場計測 |
Research Abstract |
固液界面近傍において,生体高分子の流動は表面電荷やその周囲のイオン雰囲気が形成する電気二重層や界面動電現象に大きく影響をうける.したがって固液界面近傍における生体高分子の流動を明らかにするためには,界面近傍における電場を定量的に計測する方法の開発が必要である.そこで,本年度は異なる移動度を有する蛍光粒子を用いて界面近傍の電場を計測する方法を考案した.考案した方法は電気泳動速度が,移動度および電場に比例することを利用して,粒子間の流動速度差から電場を算出する方法である.計測原理を検証するために,まず,直線形状の微小流路において二種類の粒子間に流動速度が生じることを示した.そして,T字形状の微小流路における電場計測を行い,一般的な微小流路に対する計測技術の適用性について検討した.また,対向する電気二重層が重なる条件に着目し,ナノメートルオーダの微小流路内部におけるイオンの流動特性を解析した.そして,表面電荷および電気二重層が微小流路の電流・電圧特性に及ぼす影響を詳細に考察し,電流-電圧特性表、面電荷に支配されることが明らかとなった.さらに,粗視化モデルを用いた数値解析法により,微小流路内の電場,流れ場および生体高分子の流動を解析する方法を構築し,界面動電位や電気浸透流が生体高分子の流動特性に与える影響について考察した.そして,界面電位を制御することで生体高分子を伸張させることが可能であることを示した.
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[Presentation] MEMS流体技術による医療応用デバイスの開発2007
Author(s)
新宅博文
Organizer
数理医工学の学術基盤創成に向けて(主催:日本応用数理学会数理医学研究部会, 大阪大学基礎工学研究科未来研究ラボシズテム「非線形ダイナミクス研究会」, 大阪大学基礎工学研究科未来研究ラボシステム「ニューロ・ナノテクノロジー学術基盤の創成」, 大阪大学基礎工学研究科機能創成専攻
Place of Presentation
豊中
Year and Date
2007-12-07
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