2008 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波を伴う細長い超高耐磨耗コーティング用超音速ノズルの流動特性と最適条件の解明
Project/Area Number |
19760121
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
片野田 洋 Kagoshima University, 工学部, 准教授 (40336946)
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Keywords | 超音速流れ / 圧縮性流れ / 耐磨耗コーティング |
Research Abstract |
不活性ガスの超音速流れを用いて固体粉末を加速し, 対象物に吹き付けて様々な機能をもつコーティングを行う動的溶射用が近年注目を集めている. 動的溶射に用いられる超音速ノズルはスロート直径1〜2mm, 出口直径3〜8mm, 超音速部長さ100〜200mmである. 過去にこのような微小内径の細長い超音速ノズルの研究はほとんど見当たらない. また, 動的溶射ではノズルは衝撃波を伴う複雑な過膨張状態で作動するが, このような研究は過去に例がない. そこで, 本研究では動的溶射用超音速ノズルの流動特性と最適作動条件の解明を行うことを目的としている. 本研究の最終年度である平成20年度は, 動的溶射用超音速ノズル流の中を飛行する溶射粒子の速度と温度を数値解析により明らかにする研究に取り組んだ. 計算パラメータは1)ノズル形状(スロート直径) 2)ガス種 : N_2, He, 3) 貯気圧 : 0.2〜1MPaとした. 主ガスにはN_2, Heを用い, 混合ガスには窒素を用いた. 数値解析の結果, 以下のことが明らかとなった. 1) スロート直径を1.75mm, 出口直径を4.0mm, スロートからノズル出口までの軸方向長さを200mmとすることで直径10μmの銅粒子の速度を最大化できることが分かった. 2) N_2ガスに混合するHeガスの割合を増やすほど粒子速度が大きくなることが分かった. これは, 混合ガスの音速が大きくなることが主な原因であることが明らかになった. 本研究で得られた以上の知見は, 動的溶射を実用化する上で極めて重要である.
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