2007 Fiscal Year Annual Research Report
混相流における複雑界面現象のメゾスコピックシミュレーション
Project/Area Number |
19760122
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 恭史 Kansai University, システム理工学部, 専任講師 (90330175)
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Keywords | 流体工学 / 界面 / シミュレーション / 3流体 / 濡れ / 接触角 / 3次元Front-tracking / 局所的格子細分化 |
Research Abstract |
本研究は,混相流における界面追跡アルゴリズムによる直接数値解析手法を開発し,3流体混相流のような複雑な界面を有する流れ現象を再現し,"「表面波の伝播」と「微小液滴発生」のダイナミクス"の解明を目的とするものである.まず2次元計算によって,3流体における界面の適切な扱い方について検討を行った.研究室で開発した2次元2流体のFront-tracking法によるコードを3流体に対応できるように改造し,各流体間の界面張力バランスを正確に表現する計算方法を検討した.その結果は,混相流学会の講演会にて発表した,3流体が接触する点における「濡れ」の影響を丁寧に評価することが可能となったため,1つの流体成分を固体に置き換え,固体表面における濡れ特性(静的接触角,動的接触角,接触角のヒステリシス)の表現の検証をおこなった.その結果は,実験力学会の国際会議で発表し,実験力学会誌に投稿した.計算負荷を抑えたまま,界面近傍のみの解像度を上げるために,局所的格子細分化手法を組み込んだFront-tracking法を開発した.その際に,粘性項の扱いが安定な計算のキーとなることを発見した.それについては,混相流国際会議にて発表した.それらと並行して,計算コードの3次元化を行っている.Front-tracking法における界面の表現は,2次元の場合は線分要素で,3次元の場合は3角形要素で行われ,3次元の場合の計算の複雑さおよび計算負荷は2次元の場合に比べて飛躍的に増大する.3角形要素の連結情報の扱いが非常に厄介であるので,要素の連結情報を使用しない新手法の開発を引き続き行っている。
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