2007 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限〜壁乱流の起源
Project/Area Number |
19760123
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板野 智昭 Kansai University, システム理工学部, 専任講師 (30335187)
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Keywords | 壁乱流 / 低レイノルズ数 / 秩序構造 / 分岐解析 |
Research Abstract |
本研究の主目標は、壁乱流の起源を明らかにするために従来は全く独立な研究手段として用いられてきた分岐解析理論と時間発展スキームを相補的に用いてチャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限に迫ることである。申請初年度にあたる本年度、大容量メモリを積んだ最新の計算サーバを購入し、申請時に設定した4段階の研究目標のうち最初の2目標((1)既に得られている分岐解の精度の確認、(2)分岐解が存在する低レイノルズ数極限を求めること)がほぼ達成された。分岐解が存在する低レイノルズ数はおよそ1000程度であることが分かった。この値はチャネル乱流の層流乱流遷移の植とも関連があり、分岐解の解析が工学的にも有益な情報をもたらすことを示唆する。 また以下に挙げる二つの副次的な成果も得られた。一つは従来の分岐解とは対称性の異なる新たな分岐解を得ることにも成功したことである。この分岐解はチャネルを構成する二つの壁間にまたがる大きな循環渦からなり、近年なされている高レイノルズ数における数値計算や実験などでの乱流中の構造に関する報告とも多いに関連がある。これらの結果は2008年度イギリスで開催が予定されている国際学会での発表を予定している。第二に、本研究で購入されたサーバを用いて浸透現象の計算も行った。半透膜をとおした溶液の平衡状態について非一様な応力分布が再現され、浸透流の力学的な理解が得られた。
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Research Products
(5 results)