2008 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限~壁乱流の起源
Project/Area Number |
19760123
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板野 智昭 Kansai University, システム理工学部, 専任講師 (30335187)
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Keywords | 壁乱流 / 低レイノルズ数 / 秩序構造 / 分岐解析 |
Research Abstract |
本研究の主目標は、壁乱流の起源を明らかにするために従来は全く独立な研究手段として用いられてきた分岐解析理論と時間発展スキームを相補的に用いてチャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限に迫ることである。2年目にあたる2008年度は世界同時不況に端を発するメモリ価格の急下落に伴い、64GBのメモリを積んだ最新の計算サーバを比較的安価に購入することができた。この計算機を用いて申請時に設定した4段階の研究目標のうち3目標((3)得られた解の線形安定性の計算)を2009年度に跨り実施中である。この途中経過については既に国際学会などで公表した。 2008年度に得られた、最も大きな成果として平面クエット流におけるヘアピン渦解の求解があげられる。平面ポアズイユ流については計算が完了している第2目標((2)分岐解が存在する低レイノルズ数極限を求めること)を、年度中期より平面クエット流に対しても実施していたところ、偶然にも、旧来知られていた解に匹敵するほどの低レイノルズ数で存在する新しい厳密解を得ることに成功した。この解が内包するヘアピン型の渦形状は、従来の解にはなく、また、一般の壁乱流で実験的に古くより確認されていた渦形状に対応しており、流体分野の広くに渡って認められうる重大な発見である。 本計画の締めくくりのにあたる2009年度は、当初の計画に付随して、この平面クエット流で得られた解の物理的特性を集中的に調べ、その重要性は国内外の研究会で広く公表することを予定している。
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Research Products
(4 results)