2009 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限~壁乱流の起源
Project/Area Number |
19760123
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板野 智昭 Kansai University, システム理工学部, 准教授 (30335187)
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Keywords | 壁乱流 / 低レイノルズ数 / 秩序構造 / 分岐解析 |
Research Abstract |
本研究の主目標は、従来は独立な研究手段として使われてきた分岐解析理論と時間発展スキームを相補的に用いることで、チャネル流における乱流状態の低レイノルズ数極限に迫ることである。この二つの手法を相補的に駆使する中、前年度、研究途上で平面クエット流におけるヘアピン渦解が得られた。境界層乱流に代表される壁勇断流中においてヘアピン型の渦の存在が実験等で観測されてきたが、数値的・理論的にはヘアピン型の渦を有する平衡解の存在は長らく未発見のままであり、今回の解の発見は乱流秩序構造に関する極めて重要な発見だと言える。本研究の最終年度にあたる2009年度は、主に、このヘアピン渦解の物理的特性を解析し内外に公表することに充てられた。 まず第一に、解が存在する最低レイノルズ数を数値分岐解析により高い精度で求め、また、この解が基本平行解から逐次的に分岐する様子について調査した。第二に、得られた解の安定性解析にも着手した。その結果、解は不安定であるものの、不安定固有値の個数は数個程度であることが分かった。不安定固有値に付随する固有モードは渦の不安定性の性質を表現するので、今後、固有モードの空間的性質を調べることで、ヘアピン渦の崩壊プロセスの理解につながることが期待される。第三に解が持つ渦のトポロジーについて解析を行った。ヘアピン渦のヘッド部分では渦のつなぎかえが定常的に起きてい分かってきた。これらの成果は招待講演を含む国内外の研究会で発表された。
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Research Products
(8 results)