2007 Fiscal Year Annual Research Report
PEM燃料電池における触媒高効率利用のための電極3相界面モデル構築と数値解析
Project/Area Number |
19760127
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田部 豊 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80374578)
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Keywords | 燃料電池 / 白金触媒 / 高効率利用 / 3相界面 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒層構造と白金利用率の関係を定量的に明らかにし、白金高効率利用のための電極触媒層構造の指針を得るために、簡単化した3相界面モデルおよび触媒層モデルの構築、解析コードの開発を行った。得られた主な知見は以下の通りである。 1.白金粒子を担持したカーボン担体の周りを均一な厚みの高分子電解質が覆っている3相界面構造を想定し、高分子膜内の酸素移動およびカーボン担体表面での水生成反応を組み合わせた反応モデルを構築した。さらに、これらが均一に積層された触媒層モデルを作成し、触媒層厚み方向のプロトン、酸素移動も考慮した解析コードを開発した。 2.本モデル解析により、白金担持量や触媒層内酸素濃度がカソード内電流、過電圧分布に及ぼす影響を定量的に評価可能であることを確認した。 3.触媒層内の酸素および生成水蒸気の移動現象を考慮しない場合、カソード触媒層での過電圧はかなりの高電流密度までほぼ反応律速となっており、今後これらの移動現象を含めた解析が必要である。 本解析では、触媒層内での酸素拡散や水の生成・拡散を考慮しておらず、拡散による過電圧の低下がかなりの高電流密度領域まで現れなかった。また、白金高効率利用のための触媒構造の最適化を行うにあたり、酸素、水蒸気の移動現象は触媒層構造の影響強く受けるため、これらの移動現象のさらなるモデル化が必要である。さらに、実際の触媒層をより適切に模擬できる3相界面のモデル化についての検討も重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)