2008 Fiscal Year Annual Research Report
PEM燃料電池における触媒高効率利用のための電極3相界面モデル構築と数値解析
Project/Area Number |
19760127
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田部 豊 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80374578)
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Keywords | 燃料電池 / 白金触媒 / 高効率利用 / 3相界面 / 物質移動 |
Research Abstract |
白金の高効率利用に適した触媒層を明らかにすることを目的として、3相界面モデルおよび触媒層モデルを作成し解析を行った。さらに異なる高分子電解質を用いて模擬触媒層を作成し簡易実験を行った。得られた主な成果を以下にまとめる。 1. 本研究で作成したモデルにより、カソード触媒層内のガス濃度、過電圧、電流密度分布を詳細に調べることができ、反応、分極、拡散分極による過電圧低下が評価、および分極曲線の取得が可能であることを確認した。 2. 触媒層を厚くすると、高分子電解質中の酸素拡散流束が小さくなることにより拡散分極がより高電流密度あらわれること、およびプロトン電導距離が長くなることにより抵抗分極が増大することの正負両面の電池性能に及ぼす影響を明らかにした。 3. 触媒層空隙率を大きくすると、酸素の触媒層中の有効拡散係数が大きくなることにより触媒層中酸素濃度低下が小さくなること、および有効プロトン電導度が大きくなることにより抵抗分極が増大すること、高分子電解質中の酸素拡散が増大することにより拡散分極が増大することの正負両面の電池性能に及ぼす影響を明らかにした。 4. 高分子電解質を厚くすると、プロトン屈曲度が小さくなり抵抗分極が小さくなること、および高分子電解質中での酸素拡散抵抗が大きくなることにより拡散分極がより低電流密度で現れることの正負両面の電池性能に及ぼす影響を明らかにした。 5. 高分子電解質中と触媒層空孔での酸素濃度比(酸素の高分子電解質への溶解度に相当)を大きくすることで反応分極と拡散分極が小さくなるため、少ない白金担持量でも高い電池性能を得られる可能性があることを示した。 6. 高分子電解質の性質が電池性能に及ぼす影響を調べるためのモデル実験を考案し、異なる高分子電解質を用いたPt網触媒層を作成し実験を行った。
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Research Products
(2 results)