2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺気道のイメージベーストモデリングと吸入微粒子挙動のマイクロ力学シミュレーション
Project/Area Number |
19760130
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 学 Chiba University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20292667)
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Keywords | 呼吸流れ / 振動流 / イメージベーストモデル / 数値シミュレーション / 流れの可視化 / 生物流体力学 |
Research Abstract |
有害微粒子の吸入によるぜんそくや癌といった疾患の予防・診断支援,また薬物投与における製剤設計・治療計画支援を目指し,肺気道内に吸入された微粒子挙動を計算機上で再現する肺内微粒子挙動の数値シミュレーションを行った.比較的硬くて太い気道(気道径約1〜20mm)と柔軟な進展性を有する細い気道(気道径約0.1〜1mm)ではその変形特性及び内部の流動状態が全く異なるため,マクロ的/マイクロ的な両視点からそれぞれイメージベーストモデリングを行った.本研究では(1)CFD(ComputerFluid Dynamics)により,粒径・密度や形状,電気的特性など多くの因子によって支配される気道内微粒子挙動の特性を明らかにすること,及び(2)同モデルを用いた流体計測実験によりシミュレーション結果の妥当性を検証することを目的としている. CT画像から3次元実形状を再構築した気道モデルを用い,微粒子の径や密度をパラメータとして,その気道内挙動をCFDにより数値シミュレーションを実施した.気道の変形を考慮したシミュレーションは,流体解析ソフトFluentに気道の変形を移動境界条件として与えるための計算コードを組み込んで行った.微粒子の追跡は,微粒子の運動方程式を流れのナビエストークスの式と連成して解き,粒子速度をラグランジュ的に時間積分することにより行った. シミュレーションと平行して,計算結果の妥当性を検証するための流れの可視化実験に用いる気道モデル流路を作製した.気道モデル流路は,3次元光造形システムによってあらかじめ気道形状を流路母材として作製し,周囲をシリコン樹脂で固めた後,母材を除去することにより作製された.
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Research Products
(2 results)