2007 Fiscal Year Annual Research Report
一分子熱制御のための近接場蛍光サーマルプローブの開発
Project/Area Number |
19760138
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田口 良広 Keio University, 理工学部, 助教 (30433741)
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Keywords | ナノバイオ / 熱工学 / 走査顕微プローブ / マイクロ・ナノデバイス / 計測技術 |
Research Abstract |
本研究『一分子熱制御のための近接場蛍光サーマルプローブの開発』は機能性たんぱく質の分子構造とその温度応答特性、力学特性のナノレベル分析のために必要不可欠な単一分子のセンシグ技術を確立することを目的としている。特に生体分子機能発現では非接触・非侵襲で系を乱さない計測・制御技術が望まれており、本研究では単一分子レベルでの光学的計測が可能な近接場光を用いて、液の細胞をターゲットとしたナノメートルオーダーの空間分解能を有しか温度計測・熱刺激のための近接蛍光サーマルプローブの基盤技術を開発する。本研究により、『ナノ分子システムデザイン』と呼べる新しい学際領域を創生できる。 近接場光は光の波長よりも十分に小さい開口に局在する非伝播光成分であり、のしみ出し深さは開口径と同程度である。ナノサイズの微小開口を有する近接場プローブを用いることで、光回折限界を超えた高い空間分解能で試料の光学応答を分析することができる。本研究では、近接場プロブによって励起された近接場光によって機能性たんぱく質を熱的に刺激し、その温度応答特性を分析する一分子熱制御技術を確立することを目指している。平成19年度は以下に挙げる成果を得るに至った。 【液中近接場蛍光寿命顕微鏡のための基盤技術開発】 (1)蛍光分子を周期的に変調励起し、その蛍光位相情報を高感度に検出する光学システムを構築した。 (2)測定理論ならびに測定装置の妥当性を検証するために、蛍光分子を自己組織化させた校正用マイクロチップを開発した。
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