2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760139
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
千足 昇平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (50434022)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 光物性 / 近赤外蛍光分光法 / 環境効果 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube, SWNT)は興味深い機械的,物理的物性を示すことで知られており,その応用には高度な構造制御技術が必要不可欠である.高度な構造制御を実現する為に,未だ明らかとなっていないSWNTの生成メカニズムを理解し,それに基づいた高度な構造制御を可能にする生成方法を確立することが本研究における目的である. 昨年度までに構築した環境制御型蛍光発光測定システムでは,SWNTの環境(温度,ガス雰囲気)を制御しながら近赤外蛍光発光スペクトルを測定することが可能である.さらに,ラマン散乱スペクトル測定系を組み込むと同時に,システム内でSWNT合成実験を行い,合成途中段階でのSWNTの分析を進めた. 近赤外蛍光発光スペクトルやラマン散乱スペクトルは,SWNT周辺の環境から強く影響を受けることが知られていたが,今回これらを同時に計測することに成功し,これまで明らかにはなっていなかった,SWNT表面へのガス分子の吸着効果について詳細な分析を行うことに成功した.特にSWNT合成雰囲気中に存在するエタノール分子や水分子と強く相互作用することが分かった. これらの知見を踏まえ,合成中のSWNTの分析(成長その場観察)を行った.成長が進むことでSWNT同士が接触し,近赤外蛍光スペクトルの発光が失われていくことや,成長後SWNT表面にエタノール分子や水分子が吸着していく様子を明らかにすることができた.
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Research Products
(24 results)