2008 Fiscal Year Annual Research Report
DPSSレーザを用いた高速度時系列計測が可能なナノPM前駆体診断システムの開発
Project/Area Number |
19760142
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
林田 和宏 Kitami Institute of Technology, 工学部, 准教授 (80369941)
|
Keywords | 可視化 / レーザ / 火炎 / 燃焼 / すす / PAHs |
Research Abstract |
本研究は, レーザ誘起蛍光法を応用した乱流火炎にも適用可能なナノPM前駆体診断システムの開発を目的としている. 燃焼起源のナノPMは, 多環芳香族炭化水素(PAHs : Polycychc Aromatic Hydrocarbons)が前駆体となり, 分子量の小さなPAHsから大きなPAHsへと縮重合を繰返し凝集することで形成されると考えられている. そのため, 前年度は火炎内で生成される主要なPAHsについて, 火炎内での状態に近い気相状態を作り, これに本研究で使用するレーザ光を照射して分光器によりPAHsの蛍光スペクトルを取得し, 基礎データベースの構築を行った. 今年度は, 乱流火炎計測への前段階として, 従来解析対象としてきた基礎的な層流火炎のPAHs計測を試みた. 測定対象火炎は, 灯油を燃料とするプール火炎である. その結果, 従来と同様のナノPM生成特性を確認することができた. 最終段階として, 高繰返しパルス発振が可能な半導体レーザ励起固体レーザと, 高速・高繰返しゲート機能を備えた光電子増倍管モジュールを組み合わせによる診断システムをガス噴流乱流拡散火炎内のPAHs計測に適用した., しかしながら, 今回はPARsからの明確なレーザ誘起蛍光を検出することができなかった. 主な原因として, 解析に要する十分な蛍光強度が得られなかったことが挙げられる. このため, 今年度が最終年度であったが, 今後も研究を継続して測定対象火炎を比較的PAHsの生成量が多い火炎に変えて乱流火炎計測を実現したいと考えている.
|