2008 Fiscal Year Annual Research Report
高密度高速度表面温度・表面熱流束同時計測システムの開発
Project/Area Number |
19760143
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
劉 維 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (70446417)
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Keywords | 熱工学 / 温度計測 / 熱流束計測 |
Research Abstract |
核沸騰における熱伝達のメカニズムを研究するには、時間的・空間的に変化する熱伝達量を高分解能で記録した実験データが必要である。既存の計測技術では、このような必要な詳細データを取得することが極めて困難であったため、高密度かつ高速度で伝熱面表面温度、表面熱流束を同時計測できるシステムを開発する必要があった。本研究は、伝熱面表面温度、表面熱流束を高密度かつ高速度で同時計測できるシステムを開発し、既存熱伝達モデルの検証に必要な詳細データを取得することを目的としている。 開発しようとしたシステムは、高密度に配置した熱電対素子を伝熱ブロック内部に二層に渡り装着し、高速度で熱起電力を記録する一次系と、二層で複数の熱起電カデータから、加熱面表面温度と熱流束の変化を計測するための二次元円筒座標系逆問題解析を含む2次系から構成される。 平成19年度では、熱電対素子を伝熱ブロック内部に二層に渡り高密度に配置する技術を開発し、高密度温度センサーを付けた沸騰伝熱試験体を製作した。製作の結果、銅の伝熱体の表面から深さ0.0031mmと4.905mmの二層にかけて、間隔500μmで半径5mmに渡ってそれぞれ共同陽極を持つ10本のT型微細熱電対を配置することができた。そして、平成20年度は、平成19年度に製作した沸騰伝熱試験体を用いて、沸騰伝熱実証試験を行った。実験は大気圧、飽和の条件で、カトリージヒータの出力をパラメータにして実施した。高速度カメラを用いて沸騰サイクルの撮影も行った。温度データの収録速度は1000〜2000Hzであった。沸騰表面から深さ0.0031mmの層に配置した特殊T型微細熱電対は沸騰サイクルにおける温度変化を追従できることが実証した。また、高速度カメラの記録画像との比べることにより、沸騰サイクルにおける大きな温度降下は大きな気泡の形成および離脱に対応するものだと分かった。また、二層にかけて記録した温度データを用い、逆問題解析を行い、沸騰サイクルにおける熱流束の変化を追跡した。大きな気泡の形成に伴って、熱流束が上昇することが分かった。沸騰サイクルにおける基礎伝熱データを取得できた。
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Research Products
(1 results)