2007 Fiscal Year Annual Research Report
エバネセント励起法によるナノ空間の粘性率・拡散係数センシング
Project/Area Number |
19760145
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山本 泰之 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測標準研究部門, 研究員 (00398637)
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Keywords | 熱工学 / 熱物性 / 粘性率 / 拡散係数 / ナノ空間 |
Research Abstract |
ナノテクノロジーとバイオ・化学分野の技術を融合した流体マイクロデバイスや液体ナノテクノロジーの進展と共に,ナノ・マイクロ空間中の特異な液体物性の定量化が可及的課題となっている.本申請課題の目的は.ナノ領域の固液極近傍における液体分子の運動量輸送性(粘性率)および物質輸送性(拡散係数)を数%以下の不確かさで測定可能なセンシング手法を開発し,ナノ・マイクロ空間における流体物性の特異性の有無を測定することである. 本年度は,ナノ空間拡散係数・粘性率測定装置の開発を行った.具体的には以下に示す進展が得られた. (1)ピエゾフィードバックを用いたナノギャップの制御機構の構築 本年度に導入したピエゾ(PI製P753)を用いてナノギャップの制御機構を構築した.ギヤツプの検出に差周波AOMによる光ヘテロダイン干渉計を用いた. (2)エバネセント励起方式によるフォトクロミック法の開発 フォトクロミック分子をエバネセント波で励起するチン空間拡散係数測定法を開発した.屈折率の変動は臨界角近傍の反射率変化を利用するエリプソメトリー法を採用した. (3)測定装置の健全性の検討 500nm程度のギャップ間隔に設定し,構築した測定装置を用いて,水中のフォトクロミック分子(メチルレッド)の拡散係数測定を行った.測定値は,バルク空間での値と比較して相対偏差10%以下で一致した.500nmではバルク物性と変化ないと考えられることから,測定値の一致は測定装置の健全性を示すものと判断された.
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Research Products
(3 results)