2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間と関わる機械システムの性能と安全を両立する非定常運動制御手法の研究
Project/Area Number |
19760157
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原 進 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (40329850)
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Keywords | 制御工学 / 運動制御 / 人間-機械系 / パワーアシスト / 振動制御 / 柔軟構造物 / 最適制御 |
Research Abstract |
本研究ではもともと人間-機械系機器の例として,「自走台車」や「スキルアシスト」などを対象に研究を進めてきた.そして,自動搬送からパワーアシストを伴う手動位置決めに切り換えるモード切り換え型の制御手法を適用し,さらに,モード切り換え直前の安全確認型リーチングモニタリングと衝突ハザード予測を実現する手法を提案し,その有効性を実験的に確認してきた.しかしながら,これまで制御対象は剛体を前提としており,振動が問題となる柔軟物を扱った研究は行っていない.柔軟物が対象となる場合には,他の典型的な機械制御問題同様,運動制御と振動制御のトレードオフや,残余振動モードが励起されるスピルオーバ不安定など,高性能で安全な操作を実現する上で障害となる重大な問題が発生する.そこで,最終年度となる本年度は制御対象が柔軟物(振動系)である場合のパワーアシスト制御手法について検討した.高性能な振動制御を実現するためには,パワーアシストのアクチュエータとは別に振動制御用のアクチュエータを設けたほうが,アシスト制御と振動制御の間のトレードオフを回避する立場からは都合が良い.一方,さまざまな制約から,このように二種類のアクチュエータを設けられない事例もあり得る.本研究ではこの両ケースについて,性能と安全を両立するパワーアシスト制御手法を検討した.特に,前者の二種類のアクチュエータを用いるケースでは,研究代表者が従来扱ってきた固有振動数2.5Hzの振動系に加えて,1.0Hzの振動系を用いたトレードオフが顕著な事例においても両制御の両立が可能となることを数値計算と実験により示した.
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