2007 Fiscal Year Annual Research Report
把持特性を考慮したウエアラブルパワーハンドの研究開発
Project/Area Number |
19760162
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (70303675)
|
Keywords | 把持 / 支援 / ウエアラブル / 筋電 / コンプライアンス / 腱駆動 / アクティブ電極 / パワーハンド |
Research Abstract |
手は,それ自身の運動のみならず,物体を安定に把持するという機能を持ち,また,物体把持時に想定外の大きな外力が物体に作用した際には,安全確保の為,その物体が手から外れる必要がある,つまり,物体を安定かつ安全に把持するためには,人の手の持つコンプライアンス特性まで考慮したパワーアシストを行う必要がある.しかし,カセンサを手と把持物体の間に設置することが構造上不可能であり,カセンサを用いた制御による適切なコンプライアンスの実現は不可能である.そこで,本研究では,人の指を駆動する多関節腱(1本の腱が複数の関節を同時に駆動する腱)を実現可能な形で模擬することで,カセンサを用いることなく人の把持特性に近いコンプライアンスを実現し,パワーアシスト時の違和感の低減,把持物体の安定性の向上,外力に対する手の安全性の確保を行うウエアラブルパワーハンドの研究開発を行った。このシステムは、5指による把持動作および手首運動を支援する。把持動作支援では、筋の活動電位によって2つの制御系を切り替え、力支援が必要のない細かい作業時の指運動追従と力支援が必要な時の把持力支援を両立している。また、手首運動支援も、筋の活動電位によって力支援が必要でない細かい作業時の手首運動追従と重量物を把持した際の手首運動支援を切り替えている。しかし、手首関節角度を計測することは困難であるので、駆動するワイヤー張力を機械的に計測する機構を開発することで、手首運動追従制御を実現している。また、主要な筋肉の活動を計測するアクティブアレイ電極を開発し、その増幅率をユーザの使用状況に応じて容易に調整可能な機能を付加した。このウエアラブルパワーハンドの性能評価を行ない、問題点を明確化した。
|