2007 Fiscal Year Annual Research Report
誘電率検波による圧電アクチュエータのセルフセンシングに関する研究
Project/Area Number |
19760164
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
|
Keywords | 圧電アクチュエータ / ヒステリシス / フィードバック制御 / 誘電率検波 / セルフセンシング |
Research Abstract |
本研究の目的は、圧電アクチュエータにおける圧電変位のヒステリシス特性や非線形性を補償するため、誘電率を計測することで圧電アクチュエータ自身を変位センサとした新たな計測手法を提案し、その有効性を実証することにある。このため、高周波で微小振幅電圧の誘電率検波用電圧を駆動電圧に重ね合わせ、その周波数の電流振幅値をロックイン検波することによりリアルタイムで誘電率を検出する手法を考案した。この手法を用いてバイモルフ型と積層型の圧電アクチュエータに関する測定をした結果、誘電率変化と圧電変位の間に線形性があることを確認した。次に、この線形関係を応用し、誘電率から圧電変位特性を推定して圧電ユニモルフを用いたセルフセンシング制御を試みた。誘電率検波用電圧を集は数100kHz、振幅1V_<p-p>、目標位置を周波数0.1Hz、振幅40μm_<p-p>の三角波として誘電率検波信号による積分制御を行った。この目標変位を実現するためには約60V_<p-p>の電圧振幅が必要である。また、誘電率検波用電圧の振幅が十分小さく、周波数が共振周波数に比べて十分大きいことから圧電変位に影響を与えていないことを確認した。制御の結果、提案する誘電率検波によるセルフセンシングによって、オープンループでみられたヒステリシス特性を補償し、線形性の優れた駆動を行うことに成功した。今後は、誘電率検波信号のノイズを小さくすることと、制御の高速化を行っていく予定である。
|