2008 Fiscal Year Annual Research Report
誘電率検波による圧電アクチュエータのセルフセンシングに関する研究
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19760164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / ヒステリシス / ブイードバツク制御 / 誘電率検波 / セルフセンシング |
Research Abstract |
圧電アクチュエータは、入力駆動電圧と実際の駆動変位にヒステリシスや非線形性を有するために、微小位置決め応用などではレーザー干渉計などを用いたフィードバック制御が必要であった。これを解決するために、本研究では圧電変位と共に圧電体の誘電率にも同様のヒステリシス、非線形性が生じることに注目し、誘電率変化を検出することによって、圧電変位を制御する手法を提案している。昨年度までは、誘電率変化と圧電変位とに線形関係があることを実証し、積分制御することによって圧電アクチュエータのヒステリシス特性を補償することに成功した。 今年度は、この結果をさらに発展させ、位置制御分解能を向上させることを試みた。誘電率検波をリアルタイムに検出するために、圧電アクチュエータに加える駆動電圧に、低振幅で高周波な誘電率検波用電圧を加える必要がある。この誘電率検波電圧に起因する電流振幅値から誘電率が算出されるが、この電流値を感度良く検出するため、電流プローブを高感度タイプのものに変更するとともに、誘電率検波電圧の周波数を大きくした。具体的には、従来ロックイン検波装置の帯域制限のために100kHzであったものを500kHzとすることとした。この結果、特に後者の改良により、ノイズを軽減することよって位置制御分解能の感度を大幅に向上させることに成功した。 この成功によりぐ比例制御による制御応答性の向上や、圧電アクチュエータの問題点の一つであるクリープ現象の補償の可能性についても有益な結果を得ることに成功した。
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Research Products
(3 results)