Research Abstract |
本研究では,ロバストなAGV搬送システムのための,タスク変動への対応を含んだ設計法を提案することを目的としている.この目的において,当該年度ではロバストなAGV搬送システムの設計に主眼を置き,研究をおこなった.ロバストなAGVシステムを求めるために,困難なタスクを発見するプロセスを加えた設計を考慮する.しかし,タスクの組合せも膨大であり,効率的に困難なタスクを発見する必要があり,また,システムの設計に関しても,多大な設計時間を要する可能性があるため,遺伝的アルゴリズムを用い,システム設計・タスク発見両者を同時設計する方法として,共進化を用いることで,タスクの変動に対してロバストなAGV搬送システムの設計を可能とする.この共進化は競争的共進化(もう一方を打倒する方向への進化)であり,また,ヘテロな系でおこなわれるため,i)適切な進化周期,ii)適切なパートナー(対戦相手)の選択方法を考える必要がある. これらに対し,適応度の分布,ランダムな戦略,パッケージ化などの方法論を組み合わせることで解決を図ることが目標であった. この目標に対し,当該年度では,共進化によるAGV搬送システム設計法がロバスト化と高効率化を達成可能であることが結果として得られた.ここにおいて,パートナーは困難と判定されたすべてのタスクとすることが,ロバスト性を得ることができるという結果を得た.また,進化周期以前に,環境の複雑さによって,進化が加速されることも観察された.これは,複雑な環境下である方が困難なタスクを発見しやすく,よりロバスト化されることがわかった.また,環境の複雑さとシステム設計の関係を解析することが重要であるという示唆を得た.
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